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『陰陽師』や『ちょこっとファーム』、『ビックリマン』など次々とヒットタイトルを生み出しているドリコム。ソーシャルゲームレポートではそのソーシャルゲーム事業を統括する長谷川氏にインタビューを行いました。その内容を2回に渡りお伝えしています。後半となる今回は「今後のヒット作と将来展望」についてです。(前半記事
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■ドリコム
2009年よりmixiにてソーシャルゲームの提供を開始する。その後GREEにも提供を開始し、『陰陽師』や『ちょこっとファーム』、『ビックリマン』など長期に渡ってランクインするタイトルを多く持つ。今年6月にリリースした『戦国フロンティア』も現在ランクインしている。


■長谷川 敬起 氏
株式会社ドリコム取締役。ソーシャルゲーム事業を統括する。外資系コンサルティングファームを経て、2005年よりドリコムに参画。2007年より執行役員に就任し、事業戦略の企画実行に従事。CGMサービスの立ち上げを行った後、2009年4月よりからソーシャルゲーム事業の立ち上げを担当。2012年6月、同社取締役に就任。


IPで突き抜ける


突き抜ける手段としてのIP
現在はデバイスの移行期であることもあり、各プラットフォームでソーシャルゲームユーザーの数は横ばいになってきている認識を持っています。この状況で勝つためにはユーザー数、もしくは一人ひとりの満足度の高さ、どちらかのベクトルで突き抜けるかしかないと思っています。どちらにしても多くの方が既に馴染みや思い入れのあるIP作品を取り入れていくことが有効な手段だと考えており、ポートフォリオの中に一定量組み込んでいます。

注目するIP
ドリコムではIPを2種類に分けて考えています。ひとつはユーザー層の幅が広く、キャラクターをカード化した時に多くの人に楽しんでいただけるもの。もう一つはターゲット層は限定的ですがファンの熱量が高いものです。前者に挑戦するチャンスは限られていますが、後者に関してはまだこれからチャレンジできるものも多いと考えています。

IPを選ぶときに重要なのはゲームシステムありきで考えることです。このゲームシステムに合うのは、どんなIPかという考え方ですね。今まではキャラクターの多いIPがよく使われていたと思います。ソーシャルゲームを運用すると、年間で1000枚近いカードが必要になってきます。キャラクター数の多くないIPでは工夫が必要になってきます。

例えば、キャラクターそのものではなく、その使用出来る技やアイテムをカードにすることによってキャラクター数の制約を克服することができます。このような方法を使えばキャラクターの幅を出しづらいIP作品でもゲームを長く楽しんでいただくことができると考えています。

ドリコムからIPを生み出す
また、自社でIPを育てることも非常に大事であると思っています。より多くのユーザーに遊んでもらう方法として既存のIPにチャレンジする方法以外に、自分たちで生み出したIPを汎化させていくというアプローチにもチャレンジしていきたいと考えています。具体的には、有名なアニメーターの方や企業と一緒に世界観とキャラ起こしを行い、最初からソーシャルゲームだけではなく、アニメーションやグッズ展開などの他のコンテンツも盛り込んだ企画を作ることです。アニメ、映画、出版物、プライズ商品などいろいろな企業とのシームレス連携を考えています。
 
その取り組みの一環として、先日ソーシャルゲーム業界で初めてライセンスの商談会であるライセンシングジャパンに出展しました。思っていた以上に多くの方から声をかけて頂き、自社コンテンツを育成していく上での手応えというものを感じています。今後もこの取り組みを強化していきたいと考えています。


ドリコムの将来展望


まずは国内、この半年でどれだけ勝ちきれるか 
国内ソーシャルゲーム業界の趨勢は今年度でほぼ決まると思っています。先ほどのIPの育成などの中長期視点がある一方で、この半年でどれだけ勝ちきるかも重要になってきます。9月頃までは多くのユーザーに遊んでもらうことを最重要視し、ドリコムのファンを増やすことに注力しています。そこから半年くらいで、今まで以上に高い価値を感じてもらえるゲームコンテンツを投入し、自社クロスプロモーションや広告の集中投入と合わせて突き抜けるアプリケーションを生み出すことを考えています。

海外でカードバトルは通用するか
『Rage of Bahamut』がヒットし、海外でもカードバトルゲームは通用するという見方になっています。私たちも『陰陽師』をベースとしたカードバトルゲームである『Spirit Force』を海外市場にテスト投入しました。モチーフが日本よりのために集客視点では難しかったものの、継続率やARPUに関しては手応えを感じています。次回は欧米でも広いターゲットを有するモチーフのカードバトルゲームを出す予定です。

『Rage of Bahamut』はヒットしましたが、一方で多くのカードバトルゲームのアクティブユーザー数はそんなに大きくならないのではないかという仮説も持っています。中期視点でグローバルでのユーザーベースの積み上げの重要性を考えた際に、カードバトルに特化せず、数十万人~百万人規模のDAUを有するようなネイティブアプリをベンチマークすることも重要であると考えています。 
 
ブラウザアプリとネイティブアプリは両張り
海外に関してはどのマーケットで戦うかが重要になってくると思います。少なくともあと1年はネイティブアプリが主軸だと思っています。ブラウザベースのプラットフォームの台頭には技術発展の側面も含め、まだ時間が掛かるでしょう。現在ドリコムではネイティブアプリとブラウザアプリを両方進める戦略をとっています。ネイティブアプリについては、「日本のソーシャルゲームの勝ちパターン」と「カジュアルゲームのネイティブアプリ」を組み合わせる考え方でサービス開発を進めています。カードバトルゲームとRTS(リアルタイムストラテジー)を組み合わせたサービスで実験を行ったりしています。

スマートフォンとフリーミアムならではの可能性
コンシューマー時代とソーシャル時代におけるグローバル展開の違いはその展開規模にあります。そのモバイル端末は世界中で数十億人に普及しており、フリーミアムモデルによって貧困国の方にもコンテンツを届けることが可能になりました。ドリコムではゲームにおける感動体験を世界中のユーザーに広くあまねく届けることにチャレンジしていきます。

【前編】「『戦国フロンティア』ヒットの背景」ドリコム長谷川氏インタビュー





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About the Author
Wataru Tanaka is the chief editor of Social Game Report and writes about mobile social gaming. He works at Mynet Japan, a social game developer. His vision is to create worldwide network and enhance the industry, take it to the next level where everyone can enjoy communicating each other through games.